あそけし

メイドブログ

日記 6/5 寝れない


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部屋の照明に痣のような陰りができていて気持ち悪いなと思った。焦げたというわけでもなさそうだし......はてどうしたものか。眼と鼻の先にある不可思議を放置してやすやすと眠りに就くことなんて出来ない、帰郷の途につく道すがら、あさっての方向に何か特別な興味を示した驢馬に対しては、好物を与えて本来の目標を思い出させてやるのが適切なように、ここでたっぷり睡眠をとって明日を平穏無事に乗り切るためにも早急に妥当だと思われる解を得る必要があった。そこで我らの偉大にして愚鈍な頭脳、貞潔な淑女にして粗野な大暴漢であるところのあそにゃちゃんはこのように考えた。すなわち人の手になる照明器具もそのいずれかの過程で生命を獲得しており、その意味で立派な一生体として見なすことができるのではなかろうかと。すると合点がいく。電子と正孔の移動は血流に対応し、それを統御する基盤は心臓、電気を接種することで絡繹たる生命活動が営まれているというわけだ。だからled照明にも疾患があり持病がある。故障とはいわば死のことであり、もちろん始まりもある。安寧があり動揺がある。苦しみがあれば楽しみもある。病めるときもあれば健やかなるときもある。満ち足りた幸福の風が船を進めることもあれば満身創痍の海原にて溺死することだってある。森羅万象を基礎づけるもの、それは生命にほかならない―そう理解した途端、部屋中の全てが私に語りかけてきた。床材は日々の恨み節を、機械類は各々のバッテリー残量が何%であるとか故障までの残り期間と保険の催促を、お菓子はその味やこだわりポイント等々。そこにCDの音律が加わるのでやかましいことこの上ない。中でも厄介だったのは本類で、本文をそのまま読み上げるものだからオーディブルのような感じだった。順序立てて一冊ずつ再生されるのであればもう少し楽しめたかと思うが....聞き取ることができた範囲でいえば、数式の部分は「tを際限なく大きくしたとき、f(t)はある値に収束し、その極限値はFである」というふうに、言葉で言い表すことができるように変換されていたのが印象に残った。特に決まりはないはずなのにどうしてお固い口調になるのだろう、くだけた口語でもいいはずだし、語尾ににゃんが付いても問題はないはずなのに。きっとここには何らかの恣意性が働いているに違いない。それに深く踏み込むことはしないが。大部の朱子語類の読み上げが未だ終わらず睡眠は蹂躙されてめちゃくちゃになってしまっているが、先ず其の言を行い、而して後にこれに従うという訓戒が論語に見えるように、ツイッターで寝ると呟いたからには頑張って寝ることにします。あとこれ書いてる途中で完全に故障して電気つかなくなってしまった。南無

 

夜中不能寝 鬱紆濛々纏肢体

黙独待裁割 鏡於水見現身容

又一人吾在 自恨焦身以怨嗟

怒瀨復俱流 依灰燼此憐哭泣

日来相与滅 景致兮無私無為