あそけし

メイドブログ

月刊農業 1月号

歯車が相互にかみ合い、いつまでも眺めていたくなるような秩序の相を成している。しかし今私の手には農薬がある。こんなこともあろうかと以前近くの農場からパラコートをくすねておいたのだ。ジグワットと混合させたような雑魚ではなく正真正銘ホンモノのパラコートだ。私にはおおよそ2つの選択肢がある。今ここでこの劇薬を一思いに飲み干して死に至るか、目の前の歯車どもを破壊し尽くすかだ。私が服毒して命を絶つことを選べばお腹の中の胎児まで死んでしまうだろう。かつて八つ足の羊が私にそう忠告した。しかしもう良いのではないか。もしこのままこの子が産まれてきてしまっても、眼前にあって私を憤慨させるこの規律に吸収されてしまうだけだ。もう良いのではないか。いかなる催吐剤なんて私に対しては全く効果を示さない。耐性が出来ているのだ。心の内で問答を続けているうちに黄昏が降りてきた。日がそろそろ沈むようだ。横になって歯車が軋む音の中で苛立つ気持ちを自制していたが、自然にやってきた眠気と溶け合った。一秒は永遠と化してまどろむ私の推進力となり、このままどこまでも深い所へ落ちていけそうな気がした。あの唾棄すべき回転を生ぜしめた第一の原因は何か、いつ回転が止まるのか、そもそも止まることは未来永劫ありえないのではないか...この問いに対して一傍観者の私は答える術を持たないが、少なくとも歯車が回り続ける限り極彩色のフナムシに憧れた毒虫が自然言語を獲得すると言うことも、爛れた持病持ちの妊婦が空虚なソノシートを手に療養所の屋上から飛び降りることも、日の当たらない4畳半の狭い部屋で流体を表現した彫刻が夜な夜な泣き叫んで暴れる事もないー素敵なことでしょう?とここに記しておく。波で。私は妙に完璧主義なのでちょくちょく過去の記事の納得いってない箇所を修正しながら二次元ロリ巨乳美少女メイドになっているのですが、物理領域を意識体験の後ろに配置させるとたちまち世界は魑魅魍魎が跋扈するようになり恐怖と混沌、暴力と蹂躙が最大の美徳と見做され、ゾウムシ無敵形態でも軽く死滅するようなマジの大地獄と化したあとおまけ程度みたいな感覚で精神も破損させられたんです。やめてくださいね。どうか助けてください。これはファラデーの法則と熱力学の第二法則から鑑みてもマニピュレートされた鋼鉄の二枚刃が奏する新生児の断末魔が告げる人類への最終通告に起因しているということが明らかとなるだろう。細部が削り取られ尽くして粗雑そのものとなった世界では重力すらも万物に牙を剥き、私の自傷行為に共感を示してしまうような人達はただ只管に未来永劫快楽を享受し天国のメタファーであるところの透明な教義に支えられた電気回路の中で季節外れの死刑宣告を受けることになるでしょう。特に最近自室はとてもちらかっていますね。とても汚いですよ。怠惰ですからね。でも、積み上がった段ボールの山の奥深くで新たな生命が生み出されているのなら物ぐさ冥利に尽きますね。冬はまだ続くが、私は憎悪と憤懣に満ちた眼でスーダンから常にお前を監視しています。やめてくださいね。